臨床心理士のうたたね日記

日々、気がついたことをできるだけ面白おかしく、時にきまじめにお伝えしていきたいと思います。

子どものネット依存

(2014年7月6日のYahooニュースより)

いつもスマホが手放せない子。オンラインゲームやLINE、動画。食事の時も風呂やトイレまで、自転車に乗りながら。

厚生労働省の10万人調査による推計によると、「ネット依存の疑いが強い」とされた中高生は全国で8%(大人の約4倍)、51万8000人にのぼります。高校生の半分がネット依存予備軍だと言う人もいます。

・ネットをやめようと思ってもやめられない。

・やめるとイライラしたり、落ち込んだりする。

・始めると、つい長時間になってしまう。

・ネットのためにリアルの大切な人間関係、学校や部活の活動が台無しになったり、危なくなったりしたことがある。

・ネットにのめり込んでいることを隠すために、大人にウソをつく。

・不安や嫌な気持ちから逃げるためにネットを使う。

 

このような状態の中高生が、8パーセント、52万人だそうです。

 

この他の症状として 眼精疲労・肩こり・頭痛・寝不足による自律神経失調症

いつも頭がネットの世界の中にいやすくなるために日常生活での不注意

精神不安定で切れやすい

昼夜逆転して朝なかなか起きることができない

現実の人間関係が希薄になる

目つきが以前と変わる

ネットをしようとすることを妨げる人には切れる、家庭内暴力にいたることもある

不登校になる

ネット以外のことは寝食さえもおろそかになる

 

子どももこのままではいけないとどこかで思っているのです。しかし、親御さんが注意すると切れやすいのです。 そして、ネット依存の問題が取り上げられるようになったとはいえ、この問題は周囲の人にはなかなか理解してもらえないことも多いでしょう。

親のしつけの問題にされて親は傷つくばかりです。学校にもまだまだ、理解は難しいでしょう。 初期はまだ大丈夫でしょうが、スマホを取り上げる、時間を口うるさく管理するだけでは、問題は解決しないのです。 子どもは、隠れてスマホ続けたり、逆切れしたりするだけでしょう。

ネット依存の病院として、久里浜医療センターでは「ネット依存治療部門」が作られました。東京でも一か所最近ネット依存を対象とした病院ができました。しかし、ネット依存の治療はまだこれからです。

子どもの中でも今の自分の状態を何とかしたいと思っています。ただ、先ほども申しあげたように子どもさんは親のいうことは、なかなか聞きません。第三者の専門家(医師、スクールカウンセラー臨床心理士など)の介入の方が有効です。注意を要することは、その専門家がネット依存に知見があるかどうか調べたり、確かめてみてください。

子供さんが渋々でも親と一緒に相談機関に行ける時がひとつの大きなチャンスです。 スクールカウンセラーの場合、学校内に相談室があるために子供が行きたがらないのが普通です。その時はあまり無理なさらず、親御さんだけでも相談に行かれたらよいでしょう。

チャンスはピンチの時にやってきます。それぞれの子どもにとってピンチは違いますが、ネット上の人間関係のトラブルで傷ついて落ち込んでいる時、ネットばかりしているために勉強に全く手がつかないために成績がガタ落ちして悩んでいる時、寝不足で学校に行けなくなり始めた時、ネット上の人間関係にはまっているために現実の人間関係がうまくいかなくなったとき、不登校になってしまった時、留年になりそうな時。

そんな時子供を決してしからずに子供の気持ちを聞いてあげて、今の状態をどうにかするために相談に行ってみようかというアドバイスの仕方がよいだろうと思います。 どうしても子供さんが相談に行きたがらない場合、親御さんだけでも相談に行くのもとても大切なことです。