臨床心理士のうたたね日記

日々、気がついたことをできるだけ面白おかしく、時にきまじめにお伝えしていきたいと思います。

虐待から、自ら脱出したゆうきくん

先日、虐待にあって逃げ延びることができたゆうきくん(仮名)が自ら顔を隠すことなくテレビに出ていました。もう、18才ぐらいでしょうか。彼がテレビに出たのは同じ目にあっている子が一人でも救われることを願ってのことです。 彼は小学校まで、殴る、蹴る、時にバットで殴られるなどの暴行にあっていました。彼は毎日泣いていたそうです。親は暴行を隠蔽するためにゆうき君に夏も長袖を着せていました。 彼にとって、学校が唯一安全な場でした。彼は学校の誰かに何時も自分を助けて欲しいと切に願っていました。でも、自分が先生に言ったら、今度こそ殺されると思っていました。学校の先生は度々、ゆうきくんのあざに気がつきながら、今一歩踏み込むことができませんでした。 ゆうきくんは警察なら助けてくれるだろうと小学生の時だったと思われるのですが、自作自演の強盗に襲われた場面をつくりだし、やっと助かりました。 虐待やニグレクトとは、命に関わるものでなくても、暗黙のうちにその家庭での秘密となっていて、子供たちが、外へ助けを発信する強いブレーキとなっています。 少しでもおかしいと気づいたら、子供を絶対守るという姿勢でどんなに時間がかかろうと子供から聞き出すことです。 周りの大人が常に気を配っていることです。 虐待かと思ったら通告することです。通告した内容が間違っていても通報した人に何ら罰則が課せられることはないのですから。 親が怒鳴り散らす声、暴力、子供が泣き叫ぶ声、それは隣に住むあなたの耳に届いているはずです。