臨床心理士のうたたね日記

日々、気がついたことをできるだけ面白おかしく、時にきまじめにお伝えしていきたいと思います。

先生とスクールカウンセラー

先生とスクールカウンセラーが、生徒に対する態度は本当に違う。生徒に対する見立ても違う。先生が、「甘えですよ」と言い切るときもこちらは、常に違う視点から生徒を理解していこうとする姿勢を持っていなくてはいけないと思う。先生は指導することが主で、現れた行動で評価するときも、こちらは深く理解して生徒に寄り添うことをしなくてはいけない。先生がいそいで結果を求める時もこちらは生徒の成長がゆっくりでも生徒に寄り添う姿勢を忘れてはいけないと思う。

そして、違う立場、視点に立ったものが議論し合って子供にとってよりよい対応の仕

方は生まれるのだと思う。生徒の成長を強く願っているところでは同じなのだから。 先生が、こちらの視点に耳を傾けようと思っている職場では、スクールカウンセラーも本当に動きやすい。頑張りがいがある。 先生の子どもに対する姿勢も生徒がやんちゃな子が多いと先生はもちろん厳しくなる。ただ、そこには、子供への深い愛情があることも感じる。 昔は、体罰について、厳しくなかったから、小さいころ、授業中よくおしゃべりをしていた私は、本で頭をバンとたたかれたり、授業中気を抜くと、教壇からチョークが飛んできたものだ。先生も俺のチョーク飛ばしはうまいんだとよく自慢していた。中には、いつも竹刀の4分の一にわったものを持っている体育の先生がいて、忘れ物をするとみんな座らされて、足をびしっとたたかれた。その頃は、「こわっ!」と思っていたが今振り返ると生徒への愛情が深かった先生のような思い出が残っている。 今は、体罰が問題にされるようになって、先生方は、言葉と語調と眼力で指導が必要な生徒には勝負している気がする。先日もすさまじい眼力で悪いことをした生徒をにらみつけている先生がいた。何かの時にふざけていた生徒に「君にはがっかりしたよ」とわざとつきはなすように物を言っている先生がいた。先生の一つの技なのだろう。これは、臨床家の私が、使うことのない技であり、なかなかマネできない。 家に帰ってから、夫を練習台にして、「君にはがっかりしたよ」と言ってみたが、それは「随分昔からのことだろう」と言われてしまった。眼力をきかせようと夫をにらみつけてみたが、「目にごみでも入ってちかちかするのか?」と言われてしまった。やはり、私は先生には全く向いていない。