夜は魔物が潜んでいる
ゆうきは、精神的に不調になって、今2週間に1回医者の診療とカウンセリングを受けている。できたら、週に1回ぐらい受診できると、ゆうきが追い詰められた精神状態にならないですむのだが、患者が多くてそれはできないらしい、なんせ、予約してから受診できるまで一ヶ月以上待った。医者の診察とカウンセリングを並行してできる精神科や心療内科はどこもこんな状態らしい。
今日は、昼間はよかった。バイトもスムーズ。店長にほめられた。
夕食をすませて、あたりが暗くなり一人の世界ができてくると、なんだかよくわからない不安が出てきた。何で不安なんだろうと考えているうちに気分がどんどん鬱々としてきた。このところ夜になるといつもこうだ。
過去の辛かったこと、恥をかいたことがどんどんわいてくる 。ゆうきは、布団を頭にかぶった。布団の柔らかい手触りは少しゆうきを安心させてくれたが、どんどん闇は深くなる。
苦しい!辛い!おれなんて、何の価値もない!社会の役立たずだ!死んだほうがどんなに楽だろうか。
友達に電話しようにも夜中だ。この間も電話してしまった。もう、自分が厄介な人間だと思われるのはいやだ。
やはり、自分は死んだほうがいいのだ!
そんなとき、クリニックの臨床心理士がくれた一通の手紙を思い出した。 布団から這い出してもう一度読んでみた。
<あなたが死を考えた時に読んでください>
夜は魔物が、潜んでいる。
昼間は大丈夫と思えた自分が 死を考え始める。
今の苦しみからすれば、死んだらどんなにか楽だろうと考える
それはね、夜は魔物が潜んでいるから
魔物があなたを食い尽くそうとやってきた
魔物にやられないためにはね
相談機関に電話しよう
自分を助けるんだ
さあ、魔物と闘おう! 自分を助けよう!
きっとあなたを助けてくれる人はいる
大丈夫だよ。 勇気を出して電話しよう!
きっと魔物は消えていくから
ゆうきは、リストアップされた電話番号の中のひとつをかけてみた。
「こんばんは。どうされましたか?」 温かい第三者の声がそこにはあった。
http://www.mhlw.go.jp/kokoro/support/pdf/ercenter.pdf
参考記事
http://matome.naver.jp/odai/2134033053593329801
いのちの電話は大変つながりにくいです。その時の内緒の裏ワザ。他県にいくつかかけてみるのです。つながることがあります。他県だどうのこうのより命の方が大事。相談にのってくれます。