臨床心理士のうたたね日記

日々、気がついたことをできるだけ面白おかしく、時にきまじめにお伝えしていきたいと思います。

使えないお金

Y君は、まだ20歳になっていません。でも、自分からカウンセリングを申し込んできました。 ご両親からの承諾をもらいましたが、彼が自分でカウンセリング料金を支払うというのです。休みにバイトして貯めたお金があるからというのです。もちろん、正規の料金などもらえるはずはありません。「出世払いね」ということにしました。 学校も夏休みに入ったので「バイトができるから(正規の)料金を払う」と言います。「いいよ。仕事に就いてからで」と断りました。バイトで彼が悩みを抱えながら働くことはどんなに大変なことかわかっていますから。 なので、Y君からもらったお金をずっと使えないでいます。彼が二つ折りにした毎回くれる形のままで、そのまま袋に入れてあります。 着払いの商品が来たときに、細かいお金が必要な時もそれを使えないでいます。 そのお金の入った袋を持つたび、なぜか温かい気持ちになります。 今日は夏休み。お母さんとごろごろ。                                          by robin (このブログで相談者について触れる場合は、ご本人の了解のもと、また、未成年の場合は親御さんの了解も得て載せています)