変顔
祖母は、何年か前に亡くなったが
晩年の祖母はかなり年だったのでどうしても同じ話の繰り返しが多かった。
楽しい話ならいいのだが、ぐちが多くなる。
最初のうちは一生懸命聞いていたがどうしてもこちらが疲れてしまう。
祖母は論理的に物事を考えるタイプではなく、元々明るい人で感情豊かな人であった。論理的に大丈夫だよ
と言っても祖母の気持ちはなごむことはない。
祖母が嫌に思うことがあるとそこから視点がはずれなくなるのである。
それで思いついたのが、祖母が大笑いをするようなことをしたり、言えばいいということである。
大笑いをするとそこから視点がはずれ、違うところへ話題がいくのである。
始めのうちは、自動車のナビのアナウンスをそっくり真似してとんでもないことを言ったり、勝手に変え歌を作って歌ったりして、祖母が大笑いをすることをいろいろ考えてやっていたが、ねたがつきることがある。
それで変顔をするのである。いつも整った顔の私が、顔をくちゃくちゃにするのである。
それは、ひょっとこ、おかめ以上である。それで祖母の悩みは毎回ふっとんでいた。
年をとって少し子供返りをしていたのだろう。今は懐かしい思い出である。
もちろん、変顔をしても私の顔は非常に整っていたに違いない。
高橋優の「福笑い」の歌詞もどうぞのぞいて見てください。
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